古布で綴る物語

「地引網 時を越え布ざわめいて」タペストリー(1999)

大漁

朝焼け小焼だ、 大漁だ
大羽鰮(おおばいわし)の 大漁だ。
浜は祭りの ようだけど、
海のなかでは 何万の、
鰮(いわし)のとむらい するだろう。

詞:金子みすゞ

猫村では、大漁のお祭りです。
地引網を引く掛け声、祭り太鼓のお囃子に合わせて、元気に網を引いています。
お魚達の命は猫さんたちが大切にいただきます。

食べることは生きること、
命の恵みを皆で美味しくいただくことを大事にしていた作者の思いが伝わります。

小見山は千葉県白子町の友人宅を訪ねた時に、地引漁を見学しております。その時に見た風景から、イメージを膨らませて制作した作品となります。

みんなで力を合わせて網を引いています。
ネズミ達もお手伝いしています。
大漁のお祝いでご馳走が振舞われています。
飲んで食べて、楽しい時間です。
田畑では村猫たちがお野菜を収穫しており、農作業をしている様子が描かれています。

猫の村は、信枝が擬人化した猫達をモチーフとした作品を制作するうちに、自然と生まれてきた空想の世界です。信枝の作品群の中では「猫村」というタイトルが付けられています。
「猫村」では信枝のタペストリーの中ではシリーズ化され、春夏秋冬や季節の行事が描かれています。
また、擬人化した猫達はバッグやポーチなどでも見ることができます。それは猫村かもしれませんし、猫町のことかもしれません。
猫達が織りなす懐かしくて、愛おしい世界をどうぞお楽しみください。

「古布で綴る物語」では、メッセージとともに、使用している布のこと、制作アイデア、作品に込められた思いなどについてお届けします。

Aug.1.2021

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